趣味のピジョンスポーツ 第19回「兄は人生観を形成、弟は競走馬の調教師が夢、人を育てる鳩レース」 韮塚俊夫さん・昭夫さん(賛助会員)

国際委託鳩舎レースで、活躍を続ける韮塚俊夫さん(右)と昭夫さん(左)。
鳩レースを行う愛鳩家は中高年の男性が中心ですが、中には女性や若い方々、またご高齢の方、家族で楽しんでいらっしゃる方々もいらっしゃいます。このカテゴリは、鳩レースを楽しむ「ヤング&ウーマン」、「シルバー&ファミリー」の皆さんに、レース鳩の魅力について伺っていきます。 今回ご紹介するのは、埼玉県にお住まいの韮塚俊夫さん(20歳)・昭夫さん(18歳)の兄弟。祖父と父が鳩飼育をしており、子供の頃からレース鳩が身近にいる環境で育った2人。揃って賛助会員として当協会へ入会し、成長に伴い、国際委託鳩舎レースで数々の好成績を残しています。家族からレース鳩の英才教育を受けてきた3代目のピジョンライフとは…。

埼玉県内で鳩レースを楽しんでいた祖父の正明さん、父の伸光さんの影響を受けて、幼い頃から鳩飼育を手伝っていた、韮塚俊夫さん・昭夫さん兄弟。現在はそれぞれの名前で賛助会員として、当協会へ入会。鳩レースを楽しんでいます。2人の幼き頃、鳩との関わりは、どのようなものだったのでしょうか。

「祖父の家に金曜日に泊り、翌日の朝の舎外を手伝っていました。物心つく前から家に鳩がいたので、鳩=レース鳩だと思っていましたね」(弟の昭夫さん)。

兄弟が、実際に自分たちで鳩飼育を始めたきっかけは、当協会機関誌の企画「プレゼント鳩コーナー」に応募し、当選したことだそうです。

「祖父から鳩を譲り受けることもできましたが、父から『それでは鳩に対する情熱がすぐに消えてしまう』といわれ、自分だけの鳩を手に入れようと応募しました。私たち兄弟の鳩人生は、このかけがえのない1羽のプレゼント鳩から始まっています」(兄の俊夫さん)。

父の伸光さんが、11年に賛助会員として当協会へ入会。翌年から国際委託鳩舎レースに参加し、親子で配合や作出を相談しながら鳩レースの世界へ飛び込んだ2人ですが、この初シーズンで起こった一つの奇跡が、兄弟をますます鳩飼育にのめりこませます。なんと当選したプレゼント鳩の子供が、八郷鳩舎のメインレース「八郷国際親善鳩レース大会500K」で優勝を獲得したのです。

「優勝した時は嬉しいというより驚きの方が大きかったですよ。小学生だった私に早く知らせようと、学校の帰りを窓の外から今か今かと待ちわびていた父の姿を、今でも鮮明に覚えています。また、この前年に祖母が他界したこともあり、何か見えない力が働いた気がしますね」(俊夫さん)。

その後、兄弟は成長に伴い、自らの名前で国際委託鳩舎レースにエントリー。次々と好成績を残していますが、昨シーズンのレースでは、俊夫さんが「伊賀国際ウィナー300K」第10位、昭夫さんが「八郷オータムカップ200K」第2位と、兄弟揃ってのベストテン入りを果たしています。また昭夫さんは、同入賞で文部科学大臣賞も獲得しました。

「同賞を狙っていたので、本当に嬉しかったですね。兄と私のピジョンライフには、想像もできないドラマチックな出来事がたくさん起きています。これからも多くの経験を得ることができると思います」(昭夫さん)。

若くして、鳩レースの世界で切磋琢磨する韮塚兄弟。2人に、鳩レースの魅力を訪ねると…。

「鳩飼育は生活の楽しみの一つ。何より何百キロと離れた知らない土地から懸命に羽ばたいて帰ってきてくれた時に喜びを感じます。鳩レースは、自分の人生観までも形成してくれています。これからも兄弟で協力しながら、鳩飼育に関わっていきたいです」(俊夫さん)。

「鳩飼育をしながら、1羽の鳩を長く使いたい、鳩の一生を大切にしたいとの思いを強くしました。鳩レースの世界は競走馬の世界に似ています。競走馬の名伯楽である藤沢和雄調教師の『一勝より一生』という言葉を知り、深く感銘を受けました。レース鳩から学んだ調教や育成の知識を生かし、将来は競走馬の調教に関わりたいという夢を持っています。自分も有名な調教師になり、この夢を与えてくれた鳩レースの魅力を世間に伝えることができれば、鳩への恩返しになるのではと思っています」(昭夫さん)。

素晴らしい大志を胸に抱きつつ、韮塚兄弟のピジョンライフは、これからも続いていくことでしょう。

「文部科学大臣賞」の賞状を手に
当選したプレゼント鳩

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