趣味のピジョンスポーツ(Y&W) 第22回「鳩は生活のリズム、いつか連合会長のような愛鳩家に」 菊地尚樹くん(西武蔵連合会)

自宅のバルコニーに建てた鳩舎前で鳩を掴む菊地尚樹くん。
鳩レースを行う愛鳩家は中高年の男性が中心ですが、中には女性や若い方々、またご高齢の方、家族で楽しんでいらっしゃる方々もいらっしゃいます。このカテゴリは、鳩レースを楽しむ「ヤング&ウーマン」、「シルバー&ファミリー」の皆さんに、レース鳩の魅力について伺っていきます。 今回ご紹介するのは、東京都にお住まいの菊地尚樹くん(10歳)。小学校の教室から見たたくさんの鳩が飛んでいる姿を見て、興味を持ったという同鳩舎。漫画「レース鳩777(アラシ)」を読み、レース鳩を飼う決心をしたのが2年前。今春初めて、八郷国際委託鳩舎へ5羽を委託したそうです。鳩歴ホヤホヤ、期待のルーキーのピジョンライフとは…。

東京都世田谷区に住む菊地尚樹くん(10歳)は、鳩の飼育歴2年の小学5年生。今春、初めて八郷国際委託鳩舎へ自ら作出した鳩を委託したそうです。彼が鳩に興味を持ったのは、何気ない日常の風景からでした。

「鳩に興味を持ったのは、教室から見るドバトでした。集団で飛んで、毎日決まった時間に同じ行動をする姿が気になったんです」(菊地くん)。

毎日、鳩が飛翔する様子を見ている内、ふと家の片隅に置いてあったお父さんが持っていた漫画「レース鳩777(アラシ)」を見つけます。その中に描かれている過酷なレース鳩の物語…。遠くから自分の家まで帰ってくるストーリーに胸を熱くし、不思議さを感じた菊地くんは、鳩を飼う決心を固めます。

早速、近所のペットショップを訪れ、ペットの鳩を探しますが、どこに行っても売っていません。そこで、「レース鳩777」に出ていた、日本鳩レース協会へ「鳩を飼いたいのですが、どうすればよいですか?」と、電話で連絡をします。

すると、連合会に入会する方法を教えて貰い、自宅近くにある東京西連盟・西武蔵連合会の連合会長、中村恵一さんの連絡先を紹介してもらいました。中村さんに連絡したところ、「一度、(鳩舎へ)遊びにおいで」と誘われ、中村鳩舎へお邪魔させていただくことになります。

「初めてレース鳩を見せて貰ったのですが、とても立派で凛々しく奇麗でした。会長(中村さん)から『ちゃんと飼えそうですか?』と聞かれて、すぐさま『ハイ!』と(笑)」。

その後、ホームセンターへ行き、鳩小屋のための材料を購入し、お父さんと一緒に1坪の鳩小屋を作ります。完成後、西武蔵連合会へ入会。中村さんからつがいのレース鳩をプレゼントされ、菊地くんの鳩歴が始まります。もちろん鳩飼育に関しては、初めてのことばかり。教科書もありません。給餌のアドバイス、配合の時期、巣立ちなど、鳩飼育のイロハを教えてくれたのは、中村さんでした。

「鳩の飼育は、毎日定時に世話をしなければならないことを強く感じました。僕はスキーをしており、冬は合宿で家を留守にするため、家族に協力してもらっています。鳩を飼うことで、生き物の命の大切さと『鳩は僕に、僕は家族に』と、お互いに頼りながら生きていることを実感しました」。

レース鳩を飼うことにより、動物への愛情と家族への感謝の気持ちを大きくした菊地くんですが、自宅を何度も訪れてくれ、アドバイスしてくれる中村さんにも、ひとかどの想いがあるようで…。

「中村会長がいなければ、鳩と出会う事も触れることもできませんでした。飼い始めた当初は、鳩に触りたくて何度も小屋から鳩を逃がしてしまいましたが、その度に優しく慰めてくれ、挫けそうな心を助けてくれました。もっと鳩を勉強して、会長のような愛鳩家になりたいと思います!」。

現在、鳩舎は自分の部屋のバルコニーに作ってあり、朝起きるとすぐに舎外を行い、掃除・給餌をしてから登校。学校から帰宅すると、鳩を観察する毎日を送っているそうです。今春、作出したヒナ5羽を八郷国際委託鳩舎へ委託。初めての国際委託鳩舎シリーズへ挑戦します。

「まずは委託レースに挑戦です。これから自身の成長と共に、連合会の活動や地域のレースにも参加していきたいです。レースで一生懸命に帰ってくる鳩の姿は美しいと思うし、自分自身で遠い所から帰ってくる鳩を育ててみたいですね。今では、鳩が生活のリズムになりました。配合を考えるのも楽しいし、家族も鳩を好きになってくれて、家の中が賑やかになりました。これからも、鳩飼育を頑張ります!」。

こう今後の抱負を語った菊地くん。これから努力を重ね、鳩飼いの道を極めて、連合会のみならず連盟、いや日本鳩レース界の期待のホープとなって欲しいですね。

菊地くんの鳩の師匠である、連合会長の中村恵一さんと。

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