連載2-48、世界の鳩界事情 その二十一

イラスト著作/無料イラスト素材 はちドットビズ
このコーナーは、会員の方からの寄稿や過去に掲載された本誌の記事を元に、伝書鳩及び鳩レースの今昔を鳩仙人の語り口で掲載します。本稿は本誌で連載された「レース鳩作出余話」(83年〜87年連載)を引用・改編しています。

●西ドイツ(現ドイツ)の鳩界

ベルギーを囲む国々と言えば、フランス、西ドイツ(現ドイツ)、ルクセンブルグなどじゃが、それらの諸国でも鳩レースはなかなか盛んじゃった。
そのなかでも、当時の西ドイツは鳩レース協会の会員数も極めて多く、たくさんの大レースが実施されてきたものじゃ。愛鳩家たちもたいへん熱心で、昔から大勢の会員たちがバスを借り切って、ベルギーの有名鳩舎の見学及び種鳩導入のツアーを繰り返しており、さらに個人的にも、そこは隣国であるゆえに行き来も頻繁で、優れたベルギーの系統が西ドイツにもたらされたことは、充分に考えられるのう。
またベルギーでは、今ではすでに姿を消したと思われるような古い系統が、当地ではなお活用されており、好成績をもたらしている場合もあるようで、このあたりの事も興味深い点じゃ。
1970年代のことになるが、日本に導入された西ドイツの77年バーゼルNレースで参加12500羽中当日唯一羽帰りでナショナル優勝の栄冠に輝いた「ビスマルク」。当時、この優秀な鳩を手に掴み、検討する機会があったが、このトリは抜群に理想的な体形であり「なるほど素晴らしい鳩である」と納得したわけじゃが、その一族の作出成績は、これにもまして素晴らしく、レース面でも実に立派な成績を記録しておった。
このようにわしらが目的とするレース鳩作出の面でも、当時の西ドイツの鳩界は日本でもすでに立派な種鳩提供の実績を持っておった。ゆえに今後も十分に期待できる国であり、現ドイツの鳩界事情についても、十分に調査研究をする必要があると思われるのう。
しかしながら、わしはこれらの国々(当時の西ドイツ、フランス、ルクセンブルグなど)の実情調査については、手を付けれていなかったため、残念ながらここで追想することができぬのじゃ。
またその他のヨーロッパ諸国やアフリカ諸国についても、同様に調査ができておらず、追想ができぬのじゃ。この点についても許し頂きたいのう。
さて、長く続いてきたこの追想もいよいよ終焉を迎えそうじゃ。では次回、レース鳩の作出について、最後となる追想をしようかのう…。
(この項続く)

アメリカの地図

前へ

千葉東連盟が社会福祉法人へ寄付

次へ

連合会便り 水沢連合会(岩手地区連盟)