連合会便り 水沢連合会(岩手地区連盟)
(イラスト/わたなべ ふみ)
日本鳩レース協会は、連合会員と賛助会員の2種類の会員で構成されています。個人で種鳩を飼育し、国際委託鳩舎に選手鳩のヒナを預けて委託レースを行う賛助会員に対して、連合会員は各連合会に所属し、種鳩及び選手鳩を飼育・調教しており、国際委託鳩舎での委託レースはもちろん、自らの鳩舎で各団体が主催する鳩レースに参加できます。連合会は、レース鳩の飼育者、またはレース鳩の関心を持つ方々が組織する25名以上の団体で、年の作出羽数が500羽以上あることが条件。連合会は全国各地にあり、現在は約1万人の会員数が、レース鳩の飼育・調教とレースを楽しんでいます。当協会では随時、連合会員、賛助会員の入会を募集しております。
《連合会の構成》
発足年は昭和33年。最大連合会員数は昭和50年当時で70名。現在の会員数は27名。
《地形・帰還コースの特色》
当連合会は、岩手県奥州市を中心に会員が在住しています。地理的には連盟内でも最南端に位置しており、内陸部の中心になっています。
《強豪鳩舎と飛び筋》
当連合会で飛び筋として挙げられるのは、中田ボルドー系、デルモット系、ファンスピタール系などです。
《歴史と特徴》
当連合会の特徴は、和を一番大切にすることです。
《地元のお国自慢》
当地の名物として最も有名なのは、「江刺りんご」(注1)。また「岩屋堂羊羹」(注2)も有名です。
また当地出身の有名人として、「高野長英」(注3)、「斎藤 寛」、「後藤新平」(注5)の水沢三大偉人がいます。
注1=「江刺りんご(えさしりんご)」は、岩手県奥州市江刺のリンゴのブランドのひとつです。江刺の地は昼と夜の温度差が大きく、石灰とリン酸分の多い土壌が広がっています。この環境を生かして、「わい化栽培」(接ぎ木した穂木の成長を押さえる性質のわい性台木を利用して、わざと木の高さを小さく栽培する方法)を進めました。色づきが良く、糖度が高く、甘さと酸味のほどよくマッチしたコクのある味わいとなっています。なお、江刺りんごは販売ブランドであり、品種ではありません。品種としてはジョナゴールド、サンふじ、シナノゴールドなどが栽培されています。なお2010年には新品種「紅ロマン」を誕生させました。
注2=「岩谷堂羊羹(いわやどうようかん)」の始まりは、延宝年間(1637年~)と伝えられています。時の岩谷堂城主が奨励し作らせたそうで、今では、数々の賞を受賞するなど岩手を代表する銘菓です。南国からもたらされたテングサから寒天を作り、江刺特産の小豆と合わせ、寺の精進料理として作ったのが最初と言われています。こしあんと寒天、純度の高い砂糖を混ぜ、「こがす」と表現するほど高い熱をかけて煉り上げているので、水分が少なく、固い独特の羊羹となっています。
注3=「高野長英(たかのちょうえい)」は、江戸時代後期の医者・蘭学者です。幕末に、江戸幕府の異国船打払令を批判し、開国を説きましたが、弾圧を受け死去した。主著に『戊戌夢物語』、『わすれがたみ』、『三兵答古知機』などがあり、その他にもオランダ語文献の翻訳作業も多く行っています。明治維新後、その功績により正四位を追贈されました。
注4=「後藤新平(ごとうしんぺい)」は、日本の医師・官僚・政治家。逓信大臣、内務大臣、外務大臣などを務めました。また台湾総督府民政長官、満鉄総裁を歴任し、日本の大陸進出を支え、鉄道院総裁として国内の鉄道を整備し、関東大震災後に内務大臣兼帝都復興院総裁に就任した際は、東京の帝都復興計画を立案しています。同氏は、その計画の規模の大きさから「大風呂敷」とあだ名されるなど、スケールの大きい植民地経営者であり、都市計画家でした。