趣味のピジョンスポーツ 第1回「初めての委託で、八郷国際親善鳩レース大会優勝!」韮塚伸光鳩舎

昨今、住環境の問題や鳩レース愛好家の高齢化の影響もあり、自ら鳩レースができず、当協会の賛助会員として作った鳩のヒナを預けて、国際委託鳩舎で委託レースを楽しむ方々が増えています。本コーナーでは、委託レースでピジョンライフをエンジョイしている、当協会の賛助会員の方々を、随時ご紹介していきます。第1回目にご登場いただくのは、埼玉県在住の韮塚伸光鳩舎。ご家族3代で鳩飼育を楽しみ、八郷・伊賀の両国際鳩舎で素晴らしい成績を残されているファミリーです。

きっかけは、息子さんの一言!
「お父さん、国際委託鳩舎で鳩レースをやろうよ!」
4年前、当時小学生だった長男・俊夫くんの一言がきっかけで、韮塚伸光さんは賛助会員として協会へ入会しました。

元々、伸光さんの父・韮塚正明さんが埼玉連盟・埼玉中央連合会所属のレースマンだったこともあり、韮塚ファミリーの2代目(伸光さん)、3代目(俊夫くん、昭夫くん)は、生まれた時から鳩飼育が身近にある環境でした。特に2人のお孫さん達は、お爺ちゃんと一緒に持ち寄りや訓練に連れて行ってもらい、鳩レースに魅せられていたのです。ところがその頃に、正明さんが健康上の理由などから鳩レースを中断。当時、漫画『レース鳩777(アラシ)』を読んで感動した兄・俊夫くんが「自分の鳩が欲しい」と父・伸光さんに相談したこともあり、協会のプレゼント鳩コーナーに応募。毎月のようにはがきで応募を続けたところ、平成23年(2011年)4月、見事に当選。俊夫くんが、この直仔を「国際委託鳩舎レースに出したい」と話したことが、始まりでした。3代目の「鳩レースをやりたい」との気持ちが、父である伸光さんを動かしたのです。

「親子3代、家族全員で鳩飼育を楽しんでいます。現在、息子達は高校1年生と中学1年生。話によると、思春期の子ども達は父親と口をきいてくれない家庭もあるそうですが、うちは鳩飼育によってコミュニケーションが取れています。下の息子(昭夫くん)は、お爺ちゃん(正明さん)と鳩談義をしながら、秘訣を教わっているようですよ(笑)」(伸光さん)。

しかし当時、祖父・正明さんが所有していた鳩舎や鳩は全て片付け及び譲渡していたため、まず既製の小さな鳩舎を購入、その後は種鳩集めです。父・伸光さんは「プレゼント鳩の直仔を委託鳩舎レースに出すなら、同じ協会作出鳩をペアにした方が楽しめる」と考え、3か月にわたる本誌掲載「協会作出鳩・誌上オークション」に入札。1回目では1羽も落とせず、翌月に少し価格をアップして入札したところ、何と一気に4羽をゲット。ところが当時の誌上オークションでは性別が記載されていなかったため(その後、平成24年の動物愛護法改正の施行より記載)、それらが全てメス鳩で困ってしまったという失敗談も。

親子3代で仲良く鳩談義!

ともあれ、協会作オークションで落札したメス鳩とプレゼント鳩を配合し、生まれたヒナを八郷国際委託鳩舎へ4羽、伊賀国際委託鳩舎へ2羽、初めて委託しました。

「当初は自宅に鳩舎を構えていましたが、転居を機に昨年12月、お爺ちゃん(正明さん)の自宅近くの埼玉県蕨市に鳩舎を移転しました。配合ではトリの体型や系統も考えますが、フィーリングの部分が大きいですね。息子達と相談しながらペアを決定します」(伸光さん)

さて、その翌年(2012年)から、協会では八郷・伊賀の両国際委託鳩舎の全レースを、ホームページ上でリアルタイム速報として楽しむことができるようになりました。韮塚ファミリーのファーストレースは、この年からです。委託した鳩達は両レースのスタートに残ってくれました。伊賀鳩舎は、「国際サクセス200K」で第77位になるものの、その後は失踪。一方、八郷鳩舎は『11DA24901』の1羽のみが残り、厳しいレースを乗り越えていきます。「国際サクセス200K第89位」、「国際ウィナー300K第170位」、「国際ダービー400K第19位」…。そして、ついにその時が! 協会ホームページのリアルタイム速報の一番上に『11DA24901 韮塚伸光鳩舎』と刻まれたのです。「2012年度 八郷国際親善鳩レース大会500K」優勝の瞬間でした。

家族全員がビックリすると同時に、この快挙に大喜び。すっかり国際委託鳩舎レースの虜になりました。ちなみに、この優勝鳩は〝ミラクルプレゼント号〞と名付けられ、協会種鳩となっています。

「協会作出鳩の配合ペアで、八郷国際親善鳩レース大会優勝を獲得することができました。系統も飼育管理も協会の助力あっての優勝だと思います。そこで、このラインを会員の皆さんでシェアして頂きたいと思い、協会に買い上げてもらい種鳩にしました」(伸光さん)。

また、長男・俊夫くんはこの1年前、将来の自分に宛てた手紙を書いており、何と国際委託鳩舎での優勝を予言していたそうです。

 「小学5年生の時、協会のプレゼント鳩に当選した頃ですが、学校の授業で卒業後の自分へ届くように、将来の自分に宛てた手紙を書いていたんです。中学生になって、そんなことはすっかり忘れていましたが、自分に届いた手紙を見ると〝もし、国際委託鳩舎で優勝したら、今の僕(小学5年生の時)に報告してください〞と書いてありました。とても不思議な体験でしたね」(俊夫くん)。

当協会の「2012年度 総合表彰式」に受賞者として出席した時の一コマ。

以来、韮塚ファミリーは毎年、国際委託鳩舎へ鳩を委託しており、特に13年度は「八郷国際親善鳩レース大会」第4位、「伊賀国際親善鳩レース大会」第6位、「伊賀オリエンタルカップ」第2位と、快進撃を続けました。ちなみに、最初の年に落札した協会作出鳩4羽のメスの直仔は、全て国際委託鳩舎でシングル入賞しているそうです。本年度も〝ミラクルプレゼント号〞の兄弟の直仔が「八郷国際サクセス」第7位に入賞。4月23日現在、このトリともう1羽が残っており、最終レースである「国際CH」に挑戦します。韮塚ファミリーに、それぞれ抱負を伺うと…。

「子ども達の喜ぶ顔が見たいので、順位は関係なく、1羽でいいので無事に帰って欲しい。この900Kを見事に帰還した時は、家族でお祝いしたいですね」(父・伸光さん)。

「国際委託鳩舎レースは、インターネットでリアルタイム中継があるので、本当に楽しい。スマートフォンでも見られるので、学校の友達にも鳩レースを紹介しています。今回、何とか帰還して貰って、自鳩舎で引き取り、またお世話をしてあげたい」(長男・俊夫くん)。

「僕達の鳩舎では、国際親善鳩レース大会で優勝したラインが、すごく飛んでいます。今回の2羽は、900Kまで全てのレースを飛んでいる鳩なので、すごい鳩だと思います。帰還したら、またヒナを取って国際委託鳩舎で飛ばしたい」(次男・昭夫くん)。

ファミリーの想いを乗せ、最終レースに挑戦する2羽。その結果は後に譲るとして、今年、来年、そして再来年と、韮塚ファミリーの強い絆と温かい想いを乗せた委託鳩達は、八郷と伊賀、それぞれの大空で羽ばたき続けることでしょう。

「今年の委託はどのヒナにしようかな…」と相談?

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