趣味のピジョンスポーツ 第27回「鳩友の支えで自鳩舎レースの再開を目指す!」 土屋 寿鳩舎

神奈川県伊勢原駅前にて、土屋 寿鳩舎。
今回、ご登場いただくのは、神奈川県にお住いの土屋 寿さん(60歳)。中学生の時から鳩を飼い始めたという土屋さんは、仕事の都合で何度かのレース中断を余儀なくされました。現在は賛助会員として委託レースを楽しんでおり、昨年「八郷国際チャンピオン900K」で第3位の成績を収めています。そんな同鳩舎ですが、なんと自分自身の鳩舎は持っておられないのだとか。今後、鳩舎の再建と連合会への復帰を目指しているといいますが、はたして今、どのような形で鳩飼育、鳩レースをやっているのか、その実態とは…。

「実は今、自分の鳩舎を持っていないんですよ。今回の八郷国際シリーズでの入賞は、鳩友の協力があってこそ。そこで、2人の鳩友の友情にちなんで、入賞鳩に『フレンドリー八郷チャンピオン号』と名前を付けました」。

昨年、八郷国際チャンピオン900K3位という好成績を収めた土屋 寿鳩舎。受賞の感想を聞くと、このような回答が返ってきました。

土屋さんは、元々群馬県出身。中学1年生の時、同級生が鳩を飼っているのを見て、自分も飼いたくなったそうで、その友人に2羽を譲って貰ったといいます。その友人の父親は上州連合会の会員さんだったことから、この時に鳩飼育のイロハを教えて貰ったといいます。

「毎日、鳩を外に出しては、小屋に帰ってくるのを見ていました。あれは、本当に感動しましたよ。レースはやってなかったけど、高校3年生まで続けて、10羽くらい飼っていたかな」。

高校を卒業後、建設会社に就職した土屋さんは、埼玉県に転居。寮生活となったため、やむなく鳩飼育を中断します。数年後、再び神奈川県横須賀市に転勤。その時に出会った仕事の関係者が鳩を飼っており、鳩談議に華を咲かせていたそうです。やがて「もう一度、鳩を飼いたい」という思いが募ってきます。しかしながら、寮生活のため、常識的に飼育は無理だと思われましたが、土屋さんは鳩を飼いたい一心から、誰もが思わぬ方法を思いつきます。

「会社内に敷地があったため、そこに鳩舎を建てさせてもらえるよう、お願いしたんです。もちろん、最初は難色を示されました。そこで、同僚たちが嫌がる夜勤の仕事を優先的に受け持つ約束をして、なんとかOKをもらいました。当時の上司や同僚が物分かりの良い方々で助かりましたよ(笑)」。

鳩を飼える環境整えた後、当協会の京浜横須賀連合会へ入会。会社に寝泊まりしながら鳩飼育を続け、レースを行ったといいます。同地で鳩飼育を続けていた土屋さんでしたが、31歳の時、再び同県内の厚木市へ転勤。2度目の中断を余儀なくされます。この頃、結婚もし、38歳の時に郊外の一軒家を購入。郊外に自宅を購入したのは、もちろん鳩レース再開のためでした。そして40歳の時に、地元のあさひ連盟・海老名連合会に入会しました。それから約15年間、連合会員としてレースに没頭。秋季Rg400K総合9位を始め、GPや桜花賞といった長距離レースでも連合会優勝を獲得するなど活躍されました。

ところが50代の半ば、再び転勤。今度は東京都内での勤務で、シフトも早朝から深夜に及ぶことも。しかも間が悪いことに、台風の被害で自鳩舎が破損。仕事の忙しさと不慮の事故から鳩飼育がおぼつかなくなり、泣く泣く3度目の中断を決めたといいます。

「鳩の世話ができなくなったので、仕方なく。飼っていた鳩は、山形県に移住した鳩友に譲りました。でも、鳩とのつながりがゼロになってしまうのは、寂しくてね。例え、自分で飼育や作出ができなくても、委託レースならできるんじゃないかと、賛助会員への道を選んだ訳です」。

16年に賛助会員として入会。作出や飼育は、鳩を預けた鳩友の三浦正明さん(出羽連合会)やその他の鳩友に依頼。自分の名前で登録された鳩のレース結果のみを楽しむという、変則スタイルを編み出しました。

そして17年からレース参加、5年目の昨シーズン、ついに、そのスタイルで好成績を収めます。21年度八郷国際委託鳩舎シリーズで、1羽が「国際ウィナー300K5位」、そして、もう1羽が「八郷国際CH900K3位」と、2羽の入賞鳩を産みだしたのです。今回の入賞鳩はいずれも、三浦さんの紹介で知り合った東坂東連盟の並木茂雄さん(関東南部連合会)の作出でした。

「並木さんは長距離が強いとお聞きしたので、ダメ元で作出をお願いしたんです。すると快く引き受けてくださいました。でもまさか、900Kのベストスリーに入るなんて…。本当に、お二人には感謝しています。今の鳩レースの楽しみ方は、自分の登録鳩が帰還することはもちろんですが、レース当日の風向きや天候などのデータを調べて、分速や帰還率を推理する所にあるんですよ」。

現在は、独自のスタイルで鳩レースを楽しむ土屋さんですが、今後は連合会に復帰することも考えているのだとか。

「今年3月に仕事が定年を迎える予定。時間に余裕ができるので、連合会員として復活するつもりでいます。今のスタイルは、鳩を飼育できない間もレース感を落とさないため、苦肉の策で行っていること。やはり自分自身で作出、調教を行い、自鳩舎でレーサーを待つのが、鳩レースの一番の醍醐味でしょう。でも今の私のように、鳩が好きでも自分で飼えない人達がたくさんいると思います。その方達のためにも、これからも委託鳩舎レースが盛り上がってくれれば良いですね。もちろん私も、自鳩舎レースを復活してからも、委託レースを続けますよ!」。

鳩友の友情に支えられながら、飼育再開を目指している土屋さん。同鳩舎のピジョンライフは、これからが本番のようです。

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