連合会便り「福岡連合会」(西九州地区連盟)

(イラスト/わたなべ ふみ)
日本鳩レース協会は、連合会員と賛助会員の2種類の会員で構成されています。個人で種鳩を飼育し、国際委託鳩舎に選手鳩のヒナを預けて委託レースを行う賛助会員に対して、連合会員は各連合会に所属し、種鳩及び選手鳩を飼育・調教しており、国際委託鳩舎での委託レースはもちろん、自らの鳩舎で各団体が主催する鳩レースに参加できます。連合会は、レース鳩の飼育者、またはレース鳩の関心を持つ方々が組織する25名以上の団体で、年の作出羽数が500羽以上あることが条件。連合会は全国各地にあり、現在は約1万人の会員数が、レース鳩の飼育・調教とレースを楽しんでいます。当協会では随時、連合会員、賛助会員の入会を募集しております。

《連合会の構成》

当連合会の会員数は50名で、レース参加者は32名です。玄界灘に面した九州の最大の都市の福岡市を中心に半径25キロメートル以内の地域にほとんどの会員が在住。また、2名の会員は長崎県内に鳩舎を構えています。

鳩舎位置の分布図 ▲の位置

《地形・帰還コースの特色》

福岡市は九州の玄関口である北九州市から海沿いに約5キロの距離にあり、日本海側を北上する九州地区のレースコースでは、比較的、地理的に恵まれています。そのこともあり、連盟レースでは当連合会から総合優勝者が約8割は出ています。しかし、長距離レースが行われる4月下旬から5月は、帰還コースが逆風や高温になることも多く、高分速・髙帰還率のレースはあまり望めません。

《強豪と飛び筋》

飛び筋でいえば、連合会創立時から在来系に加えて、ハイツマン作のファンブリアーナ系やファンスピタール系などの輸入系が使翔されていました。 60年代から80年代には、ゴードン、ファブリー、アミール、ブシャール、グロンドラース系など、様々な系統の鳩が導入され、連合会の隆盛に貢献しました。90年代以降にも、各自の飛び筋の強化と帰還率の向上を目指して国内外から鳩の導入が続けられています。

連合会の強豪は、連合会最優秀鳩舎賞9回の中村明英鳩舎と5回の工藤講治鳩舎を強豪鳩舎に挙げることができます。なお最近5年間の優秀鳩舎トップ5は、図①の通り。

過去5年間の優秀鳩舎トップ5

中牟田 晋鳩舎と中川和美鳩舎は2012年以前にも総合優勝経験のある強豪です。八郷国際鳩舎では、12年に川嶋光時鳩舎がオリエンタルカツプ700K、16年には家守光雄・花田一美共同鳩合がオータムカップ200Kで、それぞれ優勝を果たしました。協会タイトルに目を向けると、KBDB会長賞・西部地区1位を12年に市川敏夫鳩合、16年は中川和美鳩舎が獲得しています。

最後に、裏方の功労者も紹介します。連合会の原田昭博競翔委員長は30年以上前から、毎レースの気象データを蓄積しており、その経験を基にした放鳩判断には定評があります。

《歴史や特徴》

当連合会は、1956年に九州初の連合会として、会員数76名で発足。69年には会員数211名にも達しました。この会員数は当時の全国第2位。また、06年には連合会創立50周年の記念式典が開催されています。

福岡連合会・創立50周年記念式典にて

レース面では、70年に九州初の1000K記録(3羽)を達成。それ以降、80年代後半までは、帰還数が数十羽を超える年も稀ではなく、長距離レースは活況を里していました。しかし、90年代になると、帰還数が急激に減り、この25年間で、連合会の帰還数は計87羽、年平均で帰還率9%。良き時代を知る翔歴の長い会員にとっては何とも歯がゆい状況となっています(図①)。

1000K以上の記録羽数の推移

前へ

地方新聞が鳩レースの特集を掲載

次へ

鳩レースがテーマのCDを自主制作