連合会便り「北つくば連合会」(つくばね地区連盟)

(イラスト/わたなべ ふみ)
日本鳩レース協会は、連合会員と賛助会員の2種類の会員で構成されています。個人で種鳩を飼育し、国際委託鳩舎に選手鳩のヒナを預けて委託レースを行う賛助会員に対して、連合会員は各連合会に所属し、種鳩及び選手鳩を飼育・調教しており、国際委託鳩舎での委託レースはもちろん、自らの鳩舎で各団体が主催する鳩レースに参加できます。連合会は、レース鳩の飼育者、またはレース鳩の関心を持つ方々が組織する25名以上の団体で、年の作出羽数が500羽以上あることが条件。連合会は全国各地にあり、現在は約1万人の会員数が、レース鳩の飼育・調教とレースを楽しんでいます。当協会では随時、連合会員、賛助会員の入会を募集しております。

《連合会の構成》

発足年は平成13年。最大連合会員数は、平成29年当時で40名。現在の会員数は40名。

《地形・帰還コースの特色》

当連合会は、茨城県内の南西部に位置しており、会員はつくば市、下妻市、築西市に鳩舎を構えています。コースは北コース。帰還コースは太平洋側を海岸沿いに飛び、北茨城市磯原から下の地図のようにA(当連合会方面)・B(土浦方面)・C(稲敷方面)の3方向に分かれて、各連合会に帰還していると思われます。

《強豪と飛び筋》

連合会の強豪ですが、中距離レースでは桜井 光鳩舎、長距離レースでは竹井芳明鳩舎、竹井芳貴鳩舎が挙げられます。また飛び筋は、桜井鳩舎が「早乙女ジャンヌ系」、竹井芳明鳩舎は「ペータース系」、「ゴッド・ウイング号のライン」、「マルキ系」、竹井芳貴鳩舎は「コダマワールドライン」、「ファンブリアーナ系」、「ハルカ系」、「白鶴系」を使用しています。

《歴史や特徴》

当連合会は、地形的に内陸部に位置するため、長距離レースでの好成績を狙っている鳩舎が多いのが特徴です。

《地元のお国自慢》

地元の名所としては、茨城県のシンボルである「筑波山」(注1)が有名です。当地では、東京都などにある国の試験研究機関を計画的に移転する国家プロジェクトとして「筑波研究学園都市」が進められています。これにより、2005年に「つくばエクスプレス」(注2)が開通しました。また、伝統のある酒蔵「稲葉酒造」(注3)や筑波山の名物「ガマの油」(注4)も全国的に知られています。

注1=筑波山は、茨城県つくば市北端にある標高877mの山で、県のシンボルの一つとなっています。富士山と並べて「西に富士、東に筑波」と称され、茨城県の県西地方からの眺めが美しいとされています。
注2=つくばエクスプレスは、東京都千代田区の秋葉原駅と茨城県つくば市のつくば駅を結ぶ鉄道路線です。略称はTX。東京と筑波研究学園都市及び沿線地区間の通勤・通学路線としてはもちろん、筑波山シャトルバスなどと連携し、筑波山への観光路線としての役割もあります。
注3=稲葉酒造は、6代前の慶応3年(1867年)より同地で創業した伝統酒造。筑波山の天然水を使い、酒造りを行なっています。また全国的にも少ない女性杜氏が、6代目の蔵元を継承しています。
注4=ガマの油のとは、もともとは江戸時代に傷薬として用いられていた軟膏で、後に、筑波山名物の土産物として販売されるようになったワセリンなどを成分とする商品。元々の由来は、大坂の陣に徳川方として従軍した筑波山・中禅寺の住職であった光誉上人の陣中薬の効果が評判になったというもので、主成分は不明ですが、ガマガエルの耳後腺および皮膚腺から分泌される蟾酥(せんそ)ともみられます。戦前までは本物の蟾酥が入っているものも作られていましたが、戦後になってからは規制のためになくなりました。現在は、地元の土産品として陣中膏や陣中油などの商品名で売り出す際、「ガマの油」の名称が復活することになりました。ガマの油を露店で販売する際の口上は、伝統芸能にもなっています。

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