趣味のピジョンスポーツ 第15回「鳩レースにかける青春!」 田辺飛龍さん(賛助会員)

鳩飼育を始めた頃に作出した白鳩(11年生)を手にする田辺さん
鳩レースを行う愛鳩家は中高年の男性が中心ですが、中には女性や若い方々、またご高齢の方、家族で楽しんでいらっしゃる方々もいらっしゃいます。このカテゴリは、鳩レースを楽しむ「ヤング&ウーマン」、「シルバー&ファミリー」の皆さんに、レース鳩の魅力について伺っていきます。 今回ご紹介するのは、埼玉県にお住まいの田辺飛龍さん(19歳)。小学校3年生の時、通っている学校に迷い込んだレース鳩を世話したことをきっかけに、鳩レースの道へ踏み込みました。15年度と20年度に、伊賀国際委託鳩舎シリーズでそれぞれベストテン入り(200K7位・300K5位)を果たしている同鳩舎。では、そのピジョンライフを垣間みましょう…。

今年度の伊賀国際委託鳩舎シリーズで「国際ウィナー300K第5位」の成績を残した田辺飛龍鳩舎(19歳)。現在、専門学校に通う田辺さんは、子供の頃、学校に迷い込んできたレース鳩を保護したことをきっかけに鳩飼育を始めたそうです。

「小学校3年生の時です。その迷い鳩が飛べなくなっていたので、家に連れて帰って治療しました。その時、父からレース鳩のことを教えてもらい、脚環から飼い主に連絡したところ、そのハトを譲ってもらえることになったんです」(田辺さん)。

早速、お父さんの協力の下、自宅に2坪の鳩舎を作り、鳩飼育を開始。翌年と翌々年にはさらに2坪ずつ増設し、今では種鳩5坪、選手鳩4坪の中規模鳩舎に成長しています。

「父の鳩友にも手伝ってもらいながら、どんどんヒナを作出しました。揃って鳩が空を飛ぶ舎外を見るのが楽しみでしたね。2年経った頃には、シルバー鳩が20羽、白鳩が80羽ほどいましたよ。小学6年生の時、通っていた小学校の運動会で放鳩イベントも行ったんですが、友達はみんな大喜び。今でもいい思い出ですね」。

田辺さんは、2013年から国際委託鳩舎レースにも参加。初年度は八郷オータムカップ200K第666位、伊賀国際ウィナー300K第195位というのが、最終成績でした。しかしながら、小学生の頃は田辺鳩舎を訪れ、良く鳩を見に来ていた友達も、中学生になると部活などで忙しくなるのでしょう。だんだんと、その足が遠のきます。

「当時は、やはりさみしかったですね。自宅が住宅地なので、早朝に舎外や鳩の世話をしていましたが、僕自身も中学生になって勉強が忙しくなり、大部分の鳩の管理を父に助けてもらう形になりました」。

ともすれば、鳩飼育から離れてしまいがちな思春期に、田辺さんを支えたのは「鳩を好きな気持ち」。それを後押しする好事が15年の秋に起こります。なんと、「15年度秋季伊賀国際サクセス200K」で第7位の成績を収めたのです。

史上最年少でプロ入り・タイトル獲得を果たした将棋界の藤井聡太棋聖と同じく、わずか14歳で自鳩舎の作出による国際委託鳩舎シリーズのベストテン入りを果たしたことは、過去に例のない快挙でした。俄然、田辺さんのモチベーションはアップ!高校を卒業し、専門学校に進学してからも、さらに鳩飼育、そして鳩レースに情熱を傾けています。

「今年度は自鳩舎が作出・委託した伊賀300K第5位入賞のほか、八郷国際委託鳩舎シリーズにおいて、鳩友である中島広美鳩舎の委託(白鳩愛鳩会)で自分が作出した「19DA17259」が、オリエンタルカップ700K第44位の成績を収めました。自作の鳩が上位入賞すると、やる気も出ますし、嬉しいですね。今は学業優先ですが、とにかく鳩が好きなので、いずれまた自分で全て鳩の面倒をみたいです」。
現在、国際委託鳩舎や個人鳩舎に、自身の愛情を込めた作出鳩を委託して、鳩レースに青春をかける田辺さん。これからの自分の夢をこう語ります。

「メインで委託している八郷・伊賀の両国際委託鳩舎で優勝を目指したい。あと、もっと若い鳩友を増やして、みんなで鳩レースを楽しんでいきたいと思います!」

今後の日本鳩レース界を背負って立つ若い世代、その芽は確実に育っているようです。

自鳩舎作の20年度八郷オリエンタルカップ700K第44位入賞鳩

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