連載2-68、デ・スカイマーカー氏との会見 その二

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このコーナーは、会員の方からの寄稿や過去に掲載された本誌の記事を元に、伝書鳩及び鳩レースの今昔を鳩仙人の語り口で掲載します。本稿は本誌で連載された「レース鳩作出余話」(83年〜87年連載)を引用・改編しています。

デ・スカイマーカー氏の方針は、「すべてを鳩に聞け」という考えを徹底しておったが、かの有名なボスチン氏も、鳩が食べたがるものをエサ箱で与えていたから、あれほどの立派な成績をあげたのだと説明されておる。ただし、この場合にはすべての栄養が満たされるような混合割合でなければならないといわれる。

この辺がなかなか難しくてのう。わしはこの言葉を、全ての栄養が満たされるほどの飼料を準備して与え、最終的にはその時その時のレース鳩の活動に応じてもたらされた鳩の嗜好に応じて(通常時、舎外時、訓練時など)、きめ細かく配合割合の増減を計るのだと理解したものじゃ。

実際、ボスチン氏は毎日エサ箱に残ったエサを取り上げて、新しい配合飼料と取り換えておったという。この点が非常に大切であるとも強調されておった。

レース鳩をよりよく観察し、その飼料を食べる様子から、その鳩舎の鳩群の求める飼料の種類とそれぞれの配合量、給餌量を決定する。

動物はその生活環境、運動量によって、求める飼料の種類もそれぞれの混合割合も、また採食する飼料の1日量も流動的に変わっていくはずじゃ。

暑い日に激しい運動をして体内の水分が消失した時には、まず水を欲しがるのと同様に、採食する飼料の種類や量も、その時の体調からくる要求から決まってくるものじゃ。

例えば、繁殖期の最中、ことに卵が孵化する状態の時から育雛に移るようになると、今までとは見違えるほどたんぱく質を多量に含んだ豆類を食べるようになるのう。また、採食する量も産卵を始めるようになると、同様にことメス鳩は増加していくものじゃ。この時、巣房の中で十分な補助を与えないと丈夫なヒナは孵化せぬ。

なお飼料だけではなく、卵を形成するのは大部分が水じゃ。余談じゃが、養鶏家、特に採卵養鶏家は、雌鳥たちが容易に十分な水が飲めるようにきめ細やかな注意と配慮をしておる。同様にわしら愛鳩家も十分な注意を払いながら、産卵前のペアの巣房には余分な飼料と水とミネラルの補給を、いくら面倒でも励行するべきじゃ。

そうせねば、年若いペアでは、オスは夢中でメスを追い、そのためメスは要領よく飲み食いができぬ。その結果、異常に小さな卵を産んだり、一卵だけしか産卵しなかったり、あるいは次の産卵がヒナの孵化後16日(これが標準的な時期ではないかと考えられるが…)を過ぎても、なかなか始まらないということになるものじゃ。

これらのことは、デ・スカイマーカー氏の話にはなかったが、鳩舎内で注意深く観察しておれば気付くことで、例え話として述べたものじゃ。要は、「鳩の態度をよく観察し、その時々のレース鳩の要求を満たすような飼料の種類と量を学ぶことこそ大切」と述べておられていたと思っておる。

では、この続きは次回に譲るとするかのう…。

(この稿、続く)

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