連合会便り 熊本南部連合会(中九州地区連盟)

(イラスト/わたなべ ふみ)
日本鳩レース協会は、連合会員と賛助会員の2種類の会員で構成されています。個人で種鳩を飼育し、国際委託鳩舎に選手鳩のヒナを預けて委託レースを行う賛助会員に対して、連合会員は各連合会に所属し、種鳩及び選手鳩を飼育・調教しており、国際委託鳩舎での委託レースはもちろん、自らの鳩舎で各団体が主催する鳩レースに参加できます。連合会は、レース鳩の飼育者、またはレース鳩の関心を持つ方々が組織する25名以上の団体で、年の作出羽数が500羽以上あることが条件。連合会は全国各地にあり、現在は約1万人の会員数が、レース鳩の飼育・調教とレースを楽しんでいます。当協会では随時、連合会員、賛助会員の入会を募集しております。

《連合会の構成》

発足年は平成30年。一昨年、帰還率向上と1000K記録を目指して設立。

 
昨年12月7日に開催された祝賀会。

《地形・帰還コースの特色》

当連合会は、熊本県の中央部である熊本市以南の八代海に面した平野部に位置しています。東は九州山地がそびえ立つ地形で、帰還コースは海越えの後に山越えが待っているという難コース。特に春季レースにおいては向かい風となる展開が多く、長らく1000Kレースの記録がありません。

《強豪鳩舎と飛び筋》

設立2年目となる昨秋、中九州連盟の秋Rg400K(菊花賞)で入田勝之鳩舎が総合優勝及び総合6位、和田雅治鳩舎が総合2位、本郷裕利鳩舎が総合8位と、ベストテン内に4羽入賞しました。当連合会は長距離志向が強く、そのため導入鳩は長距離系が盛んです。

《歴史と特徴》

モットーは帰還率向上。九州が放鳩地のレース(200Kまで)では100%帰還を目指しています。そのため、持ち寄りは「天候次第では当日決定も辞さない」と会員全員が考えています。

《地元のお国自慢》

当地は、八代海に現れる神秘の光「不知火(しらぬい)」(注1)が有名です。特産品としては、トマトがあり、前述の入田鳩舎も大規模に経営されています(注2)。や世界一の大きさを誇る柑橘類「晩白柚(バンペイユ)」(注3)の生産が盛んです。

《追記》

2014年の熊本地震の際には、全国の会員の皆様より温かいご支援をいただき、誠にありがとうございました。当連合会員も自宅半壊などの被害を受けましたが、皆様のおかげで現在では鳩レースを楽しめております。この場をお借りして感謝申し上げます。

 

注1=「不知火」とは、熊本県と鹿児島県にまたがる八代海で見ることができる現象。沖合に「親火(おやび)」と呼ばれる火が出現し、数を増やして多数の火が横に並ぶ、蜃気楼の一種。遠浅の海が続く八代海では、干潟の砂と流れ込む水路の温度差が大きく、その温度差のある空気がレンズとなり、漁船の光が多数に見える幻視が生まれるとされています。
注2=熊本県下では八代や玉名地域を中心に、一年中トマトの生産及び出荷が行われています。生産量は約82,000トンで、内12月~6月にかけて出荷されるトマトの生産量が全体の約7割(63,900トン)を占めており、その時期の生産量としては日本一を誇っています。
注3=「晩白柚(バンペイユ)」は、柑橘類の一つで、ザボンの一品種。名前は、晩生、果肉が白っぽいこと、中国語で「丸い柑橘」を意味する柚に由来します。香りが良く、鼻を近づけると、やんわりとした甘酸っぱい香りがします。果肉はサクサクとした歯ざわりで、甘みと酸味のバランスに優れています。また保存性が高く、皮が柔らかくなり、食べ頃になるまで1か月間ほど置いておくことができます。

前へ

「2020年度 伊賀国際ウィナー・連合会対抗レース300K」開催!

次へ

連載2-49、世界の鳩界事情 その二十二