連合会便り 佐世保連合会(筑後地区連盟)

(イラスト/わたなべ ふみ)
日本鳩レース協会は、連合会員と賛助会員の2種類の会員で構成されています。個人で種鳩を飼育し、国際委託鳩舎に選手鳩のヒナを預けて委託レースを行う賛助会員に対して、連合会員は各連合会に所属し、種鳩及び選手鳩を飼育・調教しており、国際委託鳩舎での委託レースはもちろん、自らの鳩舎で各団体が主催する鳩レースに参加できます。連合会は、レース鳩の飼育者、またはレース鳩の関心を持つ方々が組織する25名以上の団体で、年の作出羽数が500羽以上あることが条件。連合会は全国各地にあり、現在は約1万人の会員数が、レース鳩の飼育・調教とレースを楽しんでいます。当協会では随時、連合会員、賛助会員の入会を募集しております。

《連合会の構成》

発足年は平成20年。最大連合会員数は平成22年当時で25名。現在の会員数も25名。

佐世保連合会の皆さん

《地形・帰還コースの特色》

当連合会は、九州ブロック5連盟の中でも最西端の筑後連盟に所属し、さらに連盟内でも最長距離地帯にあたります。長崎県佐世保市に事務所を構えていますが、県内に幅広く会員が在住しています。地形的には、県北地域の群島・九十九島(西海国立公園)から長崎市内へと南東に長く伸びた陸地が続きます。連合会内の距離差は約70キロになります。
帰還コースは2通りが考えられます。東よりの追い風の場合、日本海側から山口県山口市へ抜け、大分県大分市から九州の内陸部を通るケースと日本海から福岡県北九州市から福岡市へ海岸線を通るケースの2つが考えられ、このどちらも高分速が望めます。逆に西寄りの風の場合、広島市及び山口市経由で福岡市内を通ると思われ、帰還率・成績共に渋い展開になりがちです。連合会としては、天候に左右されない鳩質を目標に作出に励んでいます。

《強豪鳩舎と飛び筋》

1970年代から80年代にかけて長距離で活躍していた地元の飛び筋やヤンセン系が飛び筋といえます。代表鳩としては、田代房安鳩舎が作翔した「GCHグランドつくも号」(1200Kレース5回飛翔)です。強豪鳩舎は、連合会で一番熱心にレースに向き合っている古賀俊弘鳩舎が挙げられます。昨秋はRg500K総合2位を獲得しています。これは連合会が発足してから4回目の総合優勝。過去の総合優勝は13年秋300K・松永幸夫鳩舎、15年秋菊花賞・辻丸 学&早苗鳩舎、16年秋300K・清松信士鳩舎です。

《歴史と特徴》

当連合会は、発足から短いですが旧連合会からは55年の歴史があります。モットーとしては、互いを尊重し理解を深め、協調相助の精神を持ち、レースを楽しむことです。

《地元のお国自慢》

当地は港町であり、長崎港や佐世保港には海外からの旅客船(注1)が入港し、外国人も多く来訪します。長崎市では「長崎ランタンフェスティバル」、「精霊流し」、「長崎くんち」といったお祭りが有名で、期間中は大いに賑わいます。また「軍艦島(端島)」(注2)、「ハウステンボス」(注3)といった観光地も知られています。

 

注1=「外国からの旅客船」は昨年、長崎港226回、佐世保港120回を数え、中国からのクルーズ船の寄港数が増加しており、全体の8割を超えています。その他の寄港船の国籍はハバナ、マルタ、イタリア、イベリア、リベリア、パナマなどがあり、たくさんの方々が観光に訪れています。
注2=「軍艦島」こと「端島(はしま)」は、長崎県長崎市にある無人島。明治時代から昭和時代にかけては、海底炭鉱によって栄え、東京以上の人口密度を有していましたが、昭和49年の閉山に伴い、島民が島を離れました。2015年に、国際記念物遺跡会議により、同島を含む「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」が世界文化遺産に登録されました。
注3=「ハウステンボス」は、長崎県佐世保市にあるテーマパーク。オランダの街並みを再現しており、テーマはヨーロッパ全体となっています。東京ディズニーリゾートの1.5倍の敷地面積を誇り、単独テーマパークとしては日本最大で、様々なドラマ・映画・CMなどのロケ地としても使用されています。

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