趣味のピジョンスポーツ 第9回「ネット更新もお任せ、鳩が夫婦の生きがい」
インターネット上でも、様々な鳩レースの情報が手に入るようになった昨今。当協会はもちろん、会員の皆さんも個人でレース鳩のサイトを運営されています。その一つ、『Hat-Pop鳩舎のレース鳩』を運営されているのが、ご夫婦で当協会の会員となっている、三重第三連合会の塚本和樹・順子ご夫妻です。
ご主人の和樹さんは関西出身で、小学生時代に鳩飼育をされていましたが、当時は鳩レースを行うまでには至らず。「大人になったら鳩レースをやる!」と心に決めていたものの、大阪府の大手精密機器メーカーでサラリーマンとして働く現実では、難しいものがありました。しかし、日に日に「鳩を飼いたい…」という情熱は募る一方。そして50歳を目前にして、ついにその思いが爆発します!
「子供達の巣立ちをきっかけに、三重県にある金属関係の会社へ転職しました。都会を離れなければ、鳩レースはできませんからね。転居も伴うため、勇気が必要でしたが、人生はタイミングだと考えて決心しました」(和樹さん)。
長年、ご主人の夢を聞かされていた奥様の順子さんですが、さすがにこれには戸惑われたのでは…。
「私自身も、田舎暮らしに憧れていたので。その頃、職場までの通勤時間が長かったこともあり、主人の体も心配でしたから、転職には大賛成でした」(順子さん)。
その後、転職先の近くに購入したご自宅に小さな鳩舎を建築。ご夫婦で飼育作業を分担しながら、新たなレース鳩との生活が始まります。もちろん、お二人で当協会にも入会。いよいよ夢の実現かと思いきや、鳩の羽根が飛び散るなどご近所からの苦情で、いきなりご夫妻のピジョンライフはピンチを迎えます。
「すぐさま住宅地から離れた場所に土地を購入し、新たな鳩舎を建てました。鳩を飼うために引っ越したわけですから、何の躊躇もなかったですね」(和樹さん)。
奥様の順子さんも、いつの間にかレース鳩に夢中。元々、動物が好きだったこともあり、すっかり鳩にハマってしまったといいます。その頃、娘さんに教わりながら、ネットのサイトを立ち上げ、更新も担当。現在まで続けられています。
さて同鳩舎のレース成績ですが、今春は三重連盟の地区Nでトップから総合4位までを独占!レース歴約15年で、通算8度目の総合優勝を達成されています。「レース展開が良かっただけ」と謙遜されますが、管理が重要な長距離レースでも優勝経験があるところを見ると、かなりの実力をお持ちだと見受けられます。最後に「お二人にとってレース鳩とは?」と質問すると…。
「今、鳩が可愛くてたまりません。すっかり生活の一部。鳩がいない暮らしは考えられませんね」(順子さん)。「鳩が帰ってくる感激が一番。老後に関係が冷え込む夫婦も多いと聞きますが、うちには鳩がいます。夫婦のコミュニケーションが取れますね」(和樹さん)。
転居、ネット運営と、50歳を超えてから次々に新しいことへ挑戦された塚本ご夫妻。レース鳩がお二人の潤滑油、そして人生のエネルギーとなっているのでしょう。