自費出版小説の表紙にレース鳩
自身の人生を振り返り、それを一冊の本にまとめる…。昨今、人生の終盤を迎え、自費出版で自分史を小説にして本を出す方が増えています。先日、その自費出版で「その男、誠実・懸命につき、」(株式会社パレード・定価:1800円+税)という小説が刊行されました。
こちらは、「株式会社 フェローテックホールディングス」(ジャスダック上場)という半導体関連製品製造企業の代表取締役・山村 章 氏(75)の半生を小説としています。ちなみに、1970年に日本赤軍が起こした「よど号ハイジャック事件」で、人質の身代わりになった山村新治郎 運輸政務次官は章氏のお兄さんなのだとか。
さて、その小説の表紙カバーには、一羽の鳩写真が掲載されています。このトリは、瀬戸内連盟・福山中央連合会の門田 修鳩舎作翔の13年中国三地区GP総合優勝鳩。しかしながら、門田さんと山村さん、このお二人には全く接点がありません。では一体、どのような経緯でこのトリが山村さんの小説の表紙を飾ることになったのでしょうか。
実は、門田さんは個人で鳩レース関係のホームページを開設しており、その扉に掲載されていたのが、この総合優勝鳩でした。中学生の頃、鳩レースにのめり込んでいた山村さんが、人生を振り返った時、「鳩レースのくだりはどうしても外せない」と考え、インターネットで鳩レース関連の事柄を調べていたところ、門田さんのサイトにぶつかりました。その灰胡麻の鳩の写真を見た瞬間、「自分の小説の表紙カバーに、この鳩を使いたい」との強い衝動に駆られ、すぐさま門田さんに連絡。もちろん門田さんも快諾し、この度、表紙を飾ることとなったのです。
山村さんは出版を前に、広島県にお住いの門田さんを東京都の本社へ招待。食事や歓談中、「仕事が一段落すれば鳩レースを再開したい」としきりに話されていたそうです。なお当書籍は、ネット通販サイト「Amazon.com」で手に入れることができます。
奇なる縁が元で、交流を持った門田さんと山村さん。いつか山村さんが鳩飼育を再開し、当協会員の仲間となって頂ければよいですね。
(資料提供/門田 修 氏・福山中央連合会)