家禽の人工孵化器をレース鳩に応用

人工孵化器で孵化したレース鳩のヒナたち。
このコーナーでは、レース鳩や当協会に関する、会員の皆様から寄せられた事柄やマスメディアで紹介された事柄など、様々な情報をご提供します。

鶏やアヒルなど家禽に使われる人口孵化器。これをレース鳩に応用できないものか…。このテーマに挑戦しているのが、新潟連盟・阿賀北連合会の菅原 明鳩舎。昨年6月に初の孵化を行って、今年で2回目の実験中だといいます。

欧州では、すでに実用化されており、レースマンとして有名な鳩舎も実施しているそうですが、どの程度、自然孵化のレース鳩と同等の性能が引き出せるかは、まだ未知数とのこと。もし問題なく性能が受け継がれるとすれば、レース鳩の作出において、親鳩や仮母などを使わず、生産効率が大幅にアップすることでしょう。

「現在、今年の作出で4羽ほどを育てています。問題は2つあり、まずはヒナの低体温症を避けるため、温度管理が必要なこと。これは冬場の作出を避け、室温をキープすることで対応中です。もう一点はピジョンミルクの代用となる乳食品を準備しなければならないこと。こちらは小動物用のミルクに乳酸菌をプラスして試用しています。まだ試している段階ですが、この方法で順調にヒナが育つならば、手間が大幅に省けるので、一般の方々にも鳩飼育が広まるかもしれない。子供たちの夏休みの自由研究にも最適ですし、結果として愛鳩家が増えることになるかもしれませんね」と菅原さん。

ちなみに、家禽用の人工孵化器は、安いものなら数千円から手に入るのだとか。この価格帯なら、誰でも購入可能だと思われるため、今後、会員の皆さんの中にも利用する方が増えるかもしれません。

鳩飼育、鳩レースの普及、ひいては日本鳩レース界の発展に役立つと思われる同研究。ぜひとも良い結果を残されることを期待しています。

前へ

当協会員が「黄綬褒章」を受章

次へ

2021年桜花賞レース 東北北部ブロック連盟(3連盟)